大人の恋愛漫画では、最近は「レス漫画」が話題で、
ドラマ化して大きな反響を呼んだ作品も少なくありません。
そんな中、「瓜を破る(うりをわる)」は、レスどころかナシ漫画といえるでしょう。
読了した感想。
瓜を破る(うりをわる)1巻 作品の概略
女性の初体験にまつわる痛みを、『破瓜の痛み』と表現するそうで。
テーマどストレートなタイトルなんですね。
文字通り、主人公・まい子の『破瓜の痛み』を中心に、
こじらせOLの悶々とした気持ちや、
子どもを持つ・持たないの「女性の生き方」を丁寧に描いている作品です。
- どろどろ系が好み
- スカッと系を希望
という方には合わないかもしれません。
- キュンキュンしたい
- やきもきを楽しみたい
という方はどハマり間違いなし!
瓜を破る(うりをわる)1巻の基本情報
30代処女が抱える性的コンプレックスの行方とは…!? ごく普通の会社員・まい子には人に知られたくない悩みがあった。それは30歳を超えても性体験がないこと。劣等感に悶々とする彼女は自分を変えるべく行動を起こす。
(引用:芳文社『瓜を破る』作品ページ)
大人女性向けはレス漫画が圧倒的に多いなか、
前述の通り『瓜を破る』は【ナシ漫画】からスタートしています。
ナシが故の悩みや羨望などが描かれており、
30代で経験がないからこそのピュアさが本当に良い!
恋したくなるし、パートナーがいるひとはパートナーに会いたくなる。
人肌に触れたくなる!!
瓜を破る(うりをわる)1巻の主な登場人物
- 香坂まい子…32歳処女OL。経験がないことがコンプレックス。
- 佐伯くん…まい子の高校時代元カレ(何もなかった)。同窓会で再会。
- 原くん…まい子の同僚。気遣いできるマン。性にまつわる悩みがある模様。
- 味園さん…まい子の会社の先輩社員。アラフォー。
- 理乃…まい子の女子大時代からの友達。ハッキリ言うタイプ
- 鍵谷さん…まい子の会社に出入りするコピー機メンテ会社の契約社員。
どのキャラクターも、
「いるいる、こういう人!」という設定と性格をしています。
みんな嫌なとこをもち、それ以上にみんな良いとこをもつことが丁寧に描かれていて、
捨てキャラがや噛ませ犬がほぼいないという稀有な作品。
スタメンキャラについては嫌なヤツが一切いない!
瓜を破る1巻ネタバレ感想!32歳未経験という悩みの深さ
瓜を破る1話(Episode1)あらすじ感想(ネタバレあり)「こんな悩み他の人には言えない」
32歳OLまい子の悩みは処女であること。
悩みは深刻で、同窓会で再会した元カレ・佐伯くんに「誰にも言わないから抱いてほしい」と懇願してしまうほど。
後輩・塚田ちゃんに3年ぶりに彼氏ができた―といわれ、
自分が処女であることがバレないように取り繕う主人公、新しすぎる!
まい子は普通に仕事もしているし、格好もキレイめ。
コミュ力だって普通にあって、どこにでもいる女性なのに、
大人の女性のほとんどが経験しているであろうことが経験できてなくて、
自分は何か足りないのでは?と思ってしまう気持ち、
とってもリアルですねー!
そして、悩みを打ち明ける相手も、
気心が知れている元カレ(しかも結婚指輪してないを確認)だなんて、
必死過ぎて…!
悩みの深さを物語ってますよねぇ。
1話目からコンプレックスのままに大胆行動できるのに、
なぜ今まで処女なのかと。
でも、こういうのって人生のタイミングってやつだから、
たまたま自分は普通に結婚できただけで、
タイミングがずれてれば同じような道をたどることって十分あり得るわけで。
ゆえにコンプレックスが深いんだろうなぁと思います。
瓜を破る2話(Episode2)あらすじ感想(ネタバレあり)「20年たっても同じところにいる」
幼いまい子はお父さんが買ったらしい週刊誌に、
男女の濡れ場シーンが描かれているのを覗き見、衝撃を受けたのですが…
20年たってもそこから一歩も進んでいない自分とは…と落ち込み…
でた!幼少の好奇心!
こんなところも本当に普通の少女で、
まさか自分が処女で居るなんて思ってなかったんだろうなぁー!
Episode2では、ワーママの保育園呼び出しと、
周りの人々へのしわ寄せ感が出ていて…
ってなってました。
本Episodeではのちのキーマン「コピー機メンテの鍵谷さん」の初見が描かれていますよ。
いやー、この初見で今後のストーリー展開は予想つかなかったわー。
思い返すと伏線だらけだったので、是非是非漫画をチェックしてくださいね!
瓜を破る3話(Episode3)あらすじ感想(ネタバレあり)「逆の悩み・埋められない溝」
今日は花金で同僚の気遣いできるマン・原くんと飲みに出かけることになったまい子。
最近原くんは5年間付き合った彼女と別れたようで、
どことなく元気がない様子。しかも別れた理由は「レス」という…
ナシで悩んでいるまい子の一方で、
なんと原くんはレスで悩んでたんですねー!
しかも原くんは訳アリのレスのようで…
これまた一見普通そうに見える原くんも、
性のあれこれで悩んでいるという。
瓜を破る4話(Episode4)あらすじ感想(ネタバレあり)「ハグしよう!」
性的なつながりはできない原くんは、
それでも帰国子女でライトなハグは大好き!
悩みを打ち明けてスッキリした原くんは、
まい子に「ハグしませんか?」と誘い二人でハグ!
精神的なつながりは大事にしたいのに、
肉体的なつながりはどうしても拒否反応が出てしまうなんて、
しかも「男ならお好きでしょ」と下ネタ振られる機会も多かろうに。
ごまかし続けるの、原くんも辛かっただろうなぁ。
原くんとハグすることで、
まい子はまい子で人肌っていいもんだと余計に思わせちゃってるし(笑)
休日は大学時代からの友人・理乃とおでかけなまい子。
理乃はおしゃれ、常に彼氏いるそんな友達です。
久々に会った理乃に、
最近の悩み(=彼氏が欲しい)を打ち明けると、
「(彼氏以前に、性的な)経験ないんでしょ?」とドストレートにお返事。
男女関係に悩みがあるまい子に対し、
理乃は「柱は1本じゃダメ」と突然熱く持論を展開しだします。
カッコイイ友人、理乃の持論の内容が気になります!
瓜を破る5話(Episode5)あらすじ感想(ネタバレあり)「自分を支える柱」
「今のまい子には自分を支える柱は何本ある?」
という投げかけに、真剣に考えるまい子。
要は、恋人がいようがいなかろうが、
熱中できるものがあれば自分を支えられると理乃は伝えたかったのです。
支える柱は恋人に限定しないという、
恋人も熱を向ける1つの柱しかないんだよーとい持論、
深いですねぇ。
恋人の有無で悶々としたり、卑下したりしなくても、
他のことで充実していたら問題なしということですね。
週明け、仕事の鬼・味園さんとライフワークバランス重視系後輩・塚田ちゃんの間に爆弾が発生。
そんなにプライベートが大事なら
寿退社でもしてさっさと主婦になれば!?こっちは腰掛で仕事してんじゃないのよ!!
(引用:「瓜を破る」episode5)
味園さんのこのセリフに、塚田ちゃんも黙ってはいません。
塚田ちゃんは「(私にとって)仕事が人生の全てじゃない」と反論します。
仕事に対する価値観って、本当に千差万別だから、
価値観が違う者同士だとどうしても軋轢がでてしまいますよね…
実際の社会でも、揉め事にこそなってなくても、
「仕事最優先」価値観の人と、
「プライベートあってこその仕事」価値観の人、
口には出さなくてもお互いに罵り合ってそう。
塚田ちゃんも味園さんもどちらも間違ってはいないのだけど…
余裕のなさは周りに軋みを生みますね
瓜を破る6話(Episode6)ネタバレ「自分なりの柱を探していただけなのに」
「自分を支える柱は複数必要」という、
理乃の言葉が頭から離れないまい子は、ある日、陶芸教室のチラシが目に留まり、
自分の柱候補として陶芸教室に飛び込んでいきます。
ここで事件が起きるんですよねぇ。
【悲報】男慣れ皆無なまい子さん…ナンパ目的のクソ野郎見抜けず!!
陶芸自体は楽しくっていい気分だったのに、
煩悩捨てたら良縁が…?なんて時めいたのもつかの間、
無理やりホテル連れていかれそうになる恐怖体験…
こんなの恐怖でしかない!!!
この時、ナンパクソ野郎の強引さに恐怖する姿を、
仕事の関係者である鍵谷さんにたまたま見られてしまって、
更にショックをうけるという…
ただでさえ怖い思いしたのに、
そんな現場を痴話げんか的に勘違いされたうえで、
仕事関係者に見られてしまうなんて抉りすぎでは…?
瓜を破る7話(Episode7)あらすじ感想(ネタバレあり)「私はいつでも結婚できる」
仕事の鬼・味園さんには10年来交際し、同棲している彼氏がいます。
なので、「その気になればいつだって結婚できるんだ」という自信があります。
アラフォー×交際長い
=いつだって結婚できる!
こういう人結構いますよねぇ。
例に漏れず味園さんもそんな感じで、
自分もいつか普通に結婚するなんていうビジョンをやんわり抱いているんですね。
けれども、先日塚田ちゃんにいわれた、
「仕事が自分の全てじゃない」という言葉が脳裏に過り、
チクチクと心が痛む味園さん。
自分の価値観を否定されたみたいで、
その言葉に拒否感がくっきり見えますね…。
地雷ワードともいう。
イライラ収まらぬまま、
同棲彼氏に当たり散らしてしまう余裕のなさ…。
自分は幸せだと言い聞かせながら、
幸せの片棒を担ぐべき彼氏に当たり散らかす皮肉…。
仕事人間が、仕事について自分の価値観から外れる人間に対峙すると、
感情が爆発しちゃいますよね。
私も、まさに味園さんのような女性上司がいて、
それはそれはひどい目に遭いました…
そんなグラグラメンタルに畳みかけるように、
味園さんの前に、味園さんの宿敵【ゆるふわ寿退社同期】辻さんが復職して目の前に現れるという怒り爆発職場環境で、
家に帰ると…いるはずの彼氏はおらずもぬけの殻に!
新たなストレスの種にもぬけの殻の家!
キッツ!味園さんキッツ!!!
瓜を破る1巻(単話1-7話)の感想まとめ
主人公のまい子が本当にいい子で、そしてピュア!
周りのキャラクターも、さまざまな悩みを抱えつつ、
100%嫌な奴っていうのがいない、稀有な漫画です。
初見では「なんだこいつ」っていうのも、
後からきっちり深堀回収してくれるのもこの作品の良いところ。
あ…でも、6話に出てきた男だけはどうしようもないやつだな…
「え…なんでそんなこと言っちゃう?」というシーンも、
後から後から真実を明かしてくれるので、ご安心を!
1巻ではまい子の空回りや悶々とした気持ちばかりで、
まい子の恋は動きがありませんでした。
けれども、まい子にとって30歳を過ぎても『経験がない』ということがどれほどコンプレックスか丁寧に描かれていました。
本当に愛しいキャラばかりなので、
ドラマ化とかしても絶対面白いだろうなぁと思います。
瓜を破る1巻をタダで読むには? 一番お得な方法
ちょっと目を疑ったのですが、
「瓜を破る」1巻はKindle Unlimitedの読み放題に含まれてた…(12月7日現在)
瓜を破る 1巻 (ラバココミックス)
その他、電子書籍サイトの配信情報はこちらでまとめていますよ。
>>「瓜を破る」を全巻無料で読むには?電子書籍サイトの配信状況を調査!