SNSで話題の漫画「けだものたちの時間～狂依存症候群～」。
主人公が連れ去られ、
絶望の繰り返しで、
目を背けたくなるようなぼう力の描写であったり、
グロテスクさもあるんですけども。
これが自分の子どものことだったら…なんて思ったら、
初見のときは気分も体調さえも悪くなっちゃいました。
けれどもただえろやグロを描いているだけではなく、
主人公・愛理ならではの、
育ちの呪いとか様々な要因があって、
フィクションなのにノンフィクションを見せつけられているかの如く、
目が離せない作品です。
さまざまな漫画サイトで配信されており、
読み放題に含まれているところもありますが、
一番お得に読めるのは結論を言うとkindleUnlimited
です。
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本記事は「けだものたちの時間～狂依存症候群～（１）」の、
感想厚めのあらすじ（ネタバレあり）を記載。
お得に読む方法もまとめています◎
けだものたちの時間～狂依存症候群～（１）の作品概要
SNSで見られる広告からして、
既に不穏な空気漂う本作品。
ぼう力的であったり、
嗜ぎゃく的であったり、
もう目を背けたくなる内容もあります。
それもそのはずで、
本作品のレーベルはcomic RiSky。
（そのまんまやんけ…）
ホタルの嫁入りのヤン重とはもうレベルが違うので。
そして物語の背景が現代なので超リアル。
けだものたちの時間～狂依存症候群～（１）の基本情報
人気女性雑誌でモデルとして活躍する平川愛理（ひらかわあいり）は、自宅前でいきなり気絶させられ、あたり一面ゴミに囲まれた部屋に拉致されてしまう。愛理は、自分のストーカーであり誘拐の犯人と思われる男・今井宏和（いまいひろかず）から突然プロポーズされ困惑するが、訳もわからないまま性的暴力を受けることに。トイレも食事も管理される監禁生活が始まり……!?
しょっぱなから、
愛理への理不尽さに言葉を失います…。
公式あらすじ引用しただけでも、
禁止コードいっぱいある気がする。
引用は改ざん禁止なので、
そのまま載せているけれど大丈夫かしら…（心配）
ホント、
終始「愛理、どうやったら幸せになれるのよ…」と、
思いっぱなし。
けだものたちの時間はイラストが綺麗で、
背景とか人物像とかも練り込まれているので、
一部の隙もない感じ。
美しいイラストだから、
なおのことグロテスクが際立つというか。
精神世界の描き方のタッチも独特で、
気づけばこの世界に引き込まれてしまい、
人によっては精神が一緒に落ち込んでしまうかも。
けだものたちの時間～狂依存症候群～（１）の主な登場人物
- 平川愛理：美人・健気・頑張り屋…なのに救われない。今井に一方的に想われさらわれてしまう。
- 今井宏和：愛理をさらった犯人。普段はコンビニ店員。色々と異常者だけれど、なにやら理由がありそう。
この登場人物は2人とも、
心に大きな大きな闇を抱えているというのが共通点。
その闇が、
常人にはとても理解できない精神世界や依存世界を繰り広げていくという。
とはいえ、
女の子が抵抗もできずに心身傷つけられていく様子は、
やっぱり読んでてしんどいものがあったな…
（でも読み進めちゃう不思議）
けだものたちの時間～狂依存症候群～（１）のあらすじ感想ネタバレあり！狂気が交わるゴミ屋敷
それでは各話のあらすじ感想（ネタバレあり）行ってみましょう！
感想厚めになっていますが、
ネタバレも含みますのでご注意ください。
1巻は単話で言うところの、
1話～6話です。
単話巻読みまぜこぜの人は重複にお気を付けくださいまし。
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けだものたちの時間～狂依存症候群～第1話「ケッコン」のあらすじ感想！愛理の努力がすべて無に…理不尽すぎる誘かい劇
しょっぱなからして、
目の前にいる知らぬ人に、
ゴミ屋敷の背景。
しょ、、、衝撃的過ぎる…
いきなり「ケッコンしてください」といわれる、
意味不明さ気持ち悪さたるや。
ここに連れてこられた理由や、
それまでの盗難被害の理由なんかも分かっちゃって。
今井の言うことやることすべてが、
普通の女の子には気味が悪くて耐え難いものなのだけど。
いやー…
ほんとに全部が気持ち悪い。
そして、
今井の登場シーンが一々ホラー。
最初から本当に目が背けたくなる…。
この絶望と恐怖の中、
なんだか愛理は冷静な部分もあって。
それは目の前の地獄に近い地獄を、
実家で経験してきたからという。
絶望絶望からの、
ある意味達観なのかな…？
絶望に立ち向かおうとする心の持ちよう、
愛理の強さが端々にあって、
頑張れ…ッ！って手に汗握ってた。
我を失わず勝機をつかもうとする愛理の強さすごい。
今井の家で置かれた状況は常人には地獄でしかないけど、
愛理の強さにもっと根が深い地獄を見ていたという点がもう…救われるのだか救われないのだか…
けだものたちの時間～狂依存症候群～第2話「新婚生活」のあらすじ感想！戦う愛理と途切れぬ絶望の日々
どんなに絶望的な状況でも、
自分の人生を取り戻すことを諦めず、
決意した愛理は「生きて外に出る」ために何でもします。
どんなに屈辱的でも、
どんなに絶望的にでも、
目の前の現実から逃げ出すために、
自分を奮い立たせて頑張る愛理が切ない。
上手くいったりいかなかったり、
引き戻されたり。
今井の気分心の波に振り回されまくるの、
どうしてこんなに頑張れるんだろうっていうぐらい、
とにかく愛理は頑張ってる。
こんなに頑張っている子がどうしてこんな目に…
っていうのが無常さというか、
不条理さを際立てていてね…
でも、日々変わる愛理の立ち位置を、
昨日よりはましだと、
ずっとずっと前を見続けるの。
本当に強い子だよ…。
心が壊れてもおかしくないのに。
歯向かえば殴られ、
どうせ腕力で敵わないから、
絶望しかないから。
愛理は恋人のようにふるまうことで、
自分の立ち位置の改善を狙っていくの、
「気持ち悪い」と「前よりまし」の狭間で、
演じ続けていくの辛さしかないよなぁ…
一生懸命努力して、
自分のその場での生活を改善していっても、
容赦なく平常ではいられなくするように、
精神的に揺さぶって追い詰めていく今井が、
恐怖でしかない。
なんでそこまでされなきゃならないのって。
でも、そんな風に少しでも思ってしまったら、
簡単に心が壊れちゃうから、
最初よりまし昨日よりましって、
媚びを売らなきゃいけない絶望たるや…
今井の気分次第で一瞬で全てが吹き飛ぶの、
絶望感半端ない…
けだものたちの時間～狂依存症候群～第3話「秘密」のあらすじ感想！過去の二人…同じ傷を持っていた
今井がフツっとスイッチが切れると、
前まで良手だった作戦が全く効かなくなり、
却って命の危険にさらされることも。
そんな命のやり取りの中で、
ぼう力を受けながら、
愛理が秘密にしていた事実が暴かれることに。
男性とほぼ経験がなく、
その相手が父親であるということが…
命の危険を感じながら、
やけくそになってしまったのか。
この秘密を口にした愛理の精神状況を思うと…。
忌まわしき記憶で、
口にもしたく無かったろうに…。
それくらい日々極限状態なんだろうな。
けれどもこの日を境に、
今井の心が溶けていくという。
なぜなら、
今井もまた、
母親から性的にぎゃく待された傷があったから。
キラキラしていたから、
幸せそうにしていたから、
壊したくなったはずなんだよね。
今井が愛理をさらったのって。
けれども愛理が、
全然そんなんではなくて、
我慢に我慢を重ね、
自分を偽り、
自分を守って守って生きてきたんだって、
知らなかったからこういうことができたのだろうなって思う。
今井が愛理の傷を知ってから、
束の間の穏やかな時間が流れるように。
端々に入れ込まれる、今井母の異常さがホラー過ぎて。
サバイバーだった子どもたちがどれほど深く深く傷つき、
異常になっていくのか考えさせられます。
けだものたちの時間～狂依存症候群～第4話「復讐」のあらすじ感想！二人…それぞれの傷跡
端々の病的な描写からして、
今井の母は何かしか精神疾患を抱えていたであろうことはわかるのだけど。
親の精神の安定性が子どもの人生に直結するという、
どうしようもない真理が描かれていて。
今井の過去描写は本当につらくて。
それでも逃げ場がないから。
こんな状況で上手く生きるすべなんて身に付くわけもなく。
ただしんでないだけの日々っていう感じで。
これだけ傷つけられれば、
全てがゆがむのは必然で、
なんどもなんども、
なんねんもなんねんも、
過去に襲われては自分を失ってしまうんだよね。
愛理は中学の時。
今井は11歳の時。
それぞれ、
守るべき立場にある「親」という大人から、
力づくで心身を奪われ傷つけられて。
ずっと隠してきた傷だから、
誰にも理解されてこなかったから、
その傷が同じだと分かった相手に、
愛とか恋とか、
そんなんじゃなく暗くて太い、
よく分からない絆が誕生してしまうという。
どっちを見ても救われないなぁってつくづく思ってしまう…。
本作ではね、
直接ぼう力で受ける傷とは別に、
無関心・保身の罪深さも抉ってくるね。
どうして愛理はそんなに強く、今井でさえも救おうと思えるのか。
健全な家庭で育ったなら、どれだけ素敵な女性になっていたんだろう。
けだものたちの時間～狂依存症候群～第5話「触る」のあらすじ感想！壮絶過ぎる闇…トラウマとの戦い
同じ傷を持つ者同士と分かった二人。
ここから異様な関係が始まっていきます。
傷って深ければ深いほど、
同じ傷口を持つ人に没入していくというか。
自分はそんな経験ないのだけど、
今井と愛理の関係が全く理解できないわけじゃないんですよね。
不思議なことに。
急に優しくなった今井に困惑しっぱなしの愛理だけれど、
ふとした瞬間に、
実父からつけられたトラウマと呪いに苦しんでいる。
「ブス」
「悦んでるくせに」
「汚らわしい」
傷が深ければ深いほど、
他の人には見られまいと、
「ぎゃく待されている人には見えない幸せなワタシ」を
鉄壁の演技をするわけです。
家の外の愛理は、
「勉強頑張ってる」
「性格よい」
「モデルやってるかわいい子」
…人生楽しそうな子
やー…
ホント他人って本当に人のこと見てないし、
逆に見えてる部分って取り繕ってる一部だけなんだなって、
愛理見てると思っちゃいます。
というか、
愛理は「普通の幸せ」を与えられてこなかったのに、
どうやって不自然なく演じてるんだろう？って。
この点はかなり不思議。
頑張って、頑張って、頑張って、
自分の人生を手に入れようと頑張って。
だから、
同じ傷を持つ今井が、
愛理の本当の心を理解して、
本当に欲しい言葉が分かるんだよね。
…もうがんばらなくてもいいよ
幸せの競争からも降りてもいい（引用：「けだものたちの時間～狂依存症候群～」5話より）
まさか誘かい犯であんな残ぎゃくな今井が持っているとは…
愛理や今井を取り巻く「親」の毒と闇の深さがヤバい…
けだものたちの時間～狂依存症候群～第6話「自傷」のあらすじ感想！今井少年の闇…無力の子ども
今井少年は、
明らかに精神を病んでるシングルマザーの管理下にありました。
あえて管理下って言いました。
今井の幼少期、基本ネグレクトでどうしようもなく、
とてもじゃないけど「育ててる」とは言えない状況だったから。
本当に不思議なのだけど、
どうしてこの母親は育てられないのに、
子どもを手放さないのか。
というか、
子どもを子どもと思っておらず、
支配下に置ける「なにか」を求めてるんだろうなぁ…。
常人には到底理解できないのだけど…。
今井本人にはどうしようもないことだけど、
ネグレクトで常に不衛生で、
「しなせない」程度の関与しかしなかった。
今井本人にはどうしようもないことだけれど、
その背景が普通じゃないってわかるから、
やっぱり自分の子にはあの子に近づかないでって言ってしまいそう…。
で、
今井が少年から男性に変わってくると、
恋人の代わりとして夜の相手をさせる。
断ったり、逃げたりすれば、
壮絶なぼう力を受け、
監きんされ、
命の危険を伴う。
この環境で、
歪まないほうが無理だよね…。
他人の痛みも分からないし、
自分の痛みにも無頓着。
「幸せになる」っていう当然の権利を持たなかった子どもたちの、
行き着き先がこれでは…本当に救いようがない。
愛理と出会って、
お互い、自分の傷つきを認めて、
自分たちの傷を癒していこうとしている感じが、
すごくいたいなぁって。
そもそもそんな傷付けられなければ、
癒し合う必要もなかったはずなのにね。
最初から歪んていたわけじゃない人格を飼いならせず、
どうしたらいいのか本当に分からなさすぎる
けだものたちの時間～狂依存症候群～（１）（1話2話3話4話5話6話）の感想まとめ！病み深すぎて体調も悪くなるけど…
正直、本作読んでて心が痛すぎて…
気持ちとしてはどんよりしてしまうんですよね…。
けれども、
目を背けてきた世界がそこにはあって、
普通に平和に生きてきた人間には理解しがたい世界があって。
未知すぎるのだけど、
なんだか目が離せないんですよね。
今井が愛理にしたことは犯罪でしかなく、
理不尽でしかないのだけど、
その理不尽の陰に雁字搦めの育ちの闇があって。
愛理も愛理で、
ただの可愛い幸せな女子ではなく、
トラウマと必死に闘っている（それを全力で隠している）のであって。
常人にはあり得ない世界で、
心が癒されていく二人から目が離せなくて。
気付けば1巻読み終わっていた感じ。
あまりのおぞましさに、
体調も気分も悪くなっちゃうんだけど、
すごく引き込まれるし、
気付くと愛理の傷も自分ごとに見えてしまって。
闇が深すぎる…
でも、
愛理が幸せになる方法を見守りたい…ッ！
けだものたちの時間～狂依存症候群～（１）は無料で読める？お得に読むには？配信状況も調査！
SNSでもかなり広告を打っており、
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